SHONAN OLIVE

100%湘南産のオリーブオイル?」出店の問合せを受けたとき、思わず聞き返してしまったことが昨日のよう。本日は都心からほど近い神奈川県湘南で、“日本食に合うまったく新しいオリーブオイル”づくりに取り組む「SHONAN OLIVE」、市川和代さんを紹介します。

地域への想いから始まった女性農家の挑戦

SHONAN OLIVE」こだわりのオリーブ畑が広がるのは神奈川県足柄上群中井町。隣接する二宮町が、太平洋沿岸の温暖な気候を生かしてオリーブの栽培に力を入れ始めたとき、市川さんの兄である湘南造園(株)社長の眞壁潔氏に声を掛けたのが物語の始まりです。

SHONAN OLIVE 湘南オリーブ 耕地 おいしい・ばとん

代々造園業を営んできた眞壁家。地域の緑が豊かになるならばと早速検討を始めたものの、園芸用と食用の違いは大きく、現場には道なき道を進んでいくための推進力が必要でした。そんな中、白羽の矢が立ったのが和代さん。結婚後しばらく仕事を離れており、新たに情熱を注げるものを探していた和代さんは悩みながらもリーダー役を引き受けます。前職の航空会社のグランド職時代、数々の不測の事態に対処してきた経験から、「なんとかなるんじゃないかなぁ」と考えていたましたが、やはり現実はそう甘くありませんでした。

就農経験の無い女性が職人気質の園芸農家と未経験の品種に取り組む。当然、並大抵の苦労ではありません。メンバーから奇異の目で見られたり、時に言い合いになることも少なくなかったそう。しかし、どうせやるなら本物を作りたいという想いは同じ。コミュニケーションと共同作業を重ねに重ね、徐々に同じ目標を共にする本当の仲間となっていきました。

SHONAN OLIVE 湘南オリーブ メンバー一同 おいしい・ばとん
オリーブは鮮度が命

理解者も増え、安定したオリーブ栽培ができるようになり始めた2017年。まだ搾油設備が整っていなかったため、和代さんは収穫直後の実を小豆島に送り、搾油を依頼しました。

苦労を重ねて作り上げた初めての自家製オイル、きっと美味しいに違いない。そう信じ、到着するやいなや、早速ひとくち。しかし、期待とは裏腹に口の中に広がったのはまったりとした「油っぽさ」でした。そんなはずはない、採れたての新鮮な実を選りすぐったはずなのに…。

SHONAN OLIVE 湘南オリーブ オリーブの実 おいしい・ばとん

専門家に相談をしてみると、摘み取りと同時に劣化が始まるオリーブの実を2日かけて輸送した為の品質低下、搾油後の保存状態など数々の問題点を指摘されました。こんなつまずき方をするようでは商品化なんて夢のまた夢。

もっとオリーブそのものを知らなくては、との思いで一般社団法人日本オリーブオイルソムリエ協会の講座を受講、猛勉強の末、認定オリーブオイルソムリエの資格を取得しました。

また、同時にオリーブの栽培法、搾油法、そしてブレンド法も学びました。

その後、2019年には念願の搾油場も完成して、自社にて栽培、24時間以内搾油の環境が整いました。

 

目指すは、“日本の食卓に寄り添う”オリーブオイル

オリーブオイルを深く知り、栽培、剪定、搾油とあらゆる作業を見直す日々。オリーブの育て方、品質も安定しだした頃、新たな壁が和代さんの前に立ちはだかります。「果たして自分たちのオリーブオイルはどうあるべきか」という問題です。

世界のトレンドは、超早熟の実だけを絞ることで、青臭さと苦み、それぞれが混在したレトロネーザル(のどの奥から鼻にのぼる香り)を実現したプレミアムオイル。しっかりした味の洋食とのペアリングはもちろん、そのまま味わっても美味しい逸品です。いわばオリーブオイルの世界標準であり、和代さんも当初はこの味を目指していました。

しかし仕事から疲れて帰ったある日、小腹を満たすために、冷蔵庫に残っていた豆腐としらすにオイルを掛けて食べたとき、大きな違和感が生まれます。「しらすの風味が消えちゃってる…」“世界標準”のオイルは日本の食卓に並ぶ「和の食材」には強すぎ、その良さを感じにくくさせてしまっていたのです。

平塚で生まれ育ち、料理をすること、そして食べることが大好きな和代さん。自分がこの地で作るオリーブオイルは、地元の食材とマッチしたものであってほしいと考えるようになり、ついには、和の食材に寄り添うことのできる、“日本独自のオリーブオイル”を目指すことに決めたのです。

SHONAN OLIVE 湘南オリーブ しらすにオリーブオイルを合わせて おいしい・ばとん

試行錯誤の末に出来上がった自分たちのオイル「SHONAN OLIVE」。世界のトレンドとは異なるものの、日本の食材に寄り添い引き立てる、“日本独自のプレミアムオイル”となりました。他にはない、独自の柔らかな風味は「普段のおかずによく合う」と瞬く間に反響を呼び、年末の搾油分は翌春にほぼ完売、うれしい悲鳴です。しかし、そこで留まる市川さんではありません。さらに美味しいオイルを届けられるよう、新しい取り組み、商品開発に取り組んでいるということでした。

オリーブオイルと農園をもっと身近に。SHONAN OLIVEの挑戦

日本独自のオリーブオイルを創り出した和代さん、今後の展望を伺うとまたも聞きなれない言葉が飛び出しました。

「オリーブツーリズムを日本に広めたい!」

マルシェで農園の話をすると、必ずと言っていいほど「東京の近くにそんなところがあるなんて知らなかった」「ぜひ行ってみたい!」そんな反応が返って来るのだそう。多くの希望を受け、和代さんは現在、オリーブをより身近に感じてもらえるオープンファーム(体験農園)を企画しています。

日本ではまだまだなじみの薄い言葉ですが、イタリアやスペインでは、オリーブ畑での農業体験を楽しむ文化、オリーブツーリズムが根付いており、農園での作業後にオリーブを眺めながら、みんなでご飯を食べたりお酒を飲んだりするそうです。

SHONAN OLIVE 湘南オリーブ 収穫の様子 おいしい・ばとん

「オリーブをもっと身近に感じてもらうと共に、海も山も近く、自然豊かな中井町の魅力を知ってもらいたい。それが育ててもらった故郷への貢献にもつながると思っている」そう話してくださった和代さんは、さらに近い将来、収穫体験やグランピング場の開設も考えているのだとか。都心からわずか1時間、少し足を延ばして湘南の豊かな自然を肌で感じながら、オリーブオイルと和食のペアリングを楽しむ…そんな休日が過ごせる日も遠くなさそうですね。

小さいころから、地元のために力を尽くす家族の背中を見て育ち、山からの自然の恵みを全身で感じてきた和代さん。そのDNAはしっかりと受け継がれ、また違う形で縁をつないでいることがわかります。魅力いっぱいの和代さんとSHONAN OLIVEにぜひ会いに来てくださいね。

 

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湘南ミッション おいしい・ばとん

 

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